アパレル未経験でアパレルブランドを立ち上げたいけれど、
という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この質問は非常に多い質問です。
まず、結論を言うと
わかりません!
残念ながらわからないのが現状です。
ただ、一つ言えるのは
ある程度の資金は必要です!
最近は比較的低リスクでもブランド立ち上げができるようにはなりましたが、やはり一定の資金は必要です。
また、お金があればブランドを立ち上げて服を作ることは可能ですが、作って終わりではいけません。同時に集客力をつけることも必要になります。
とは言っても、目安でいいから教えてよー。と言う方や、資金ないと出来ないなら諦めなきゃいけないの?と言う方も多いと思いますので、今日はアパレルブランド設立にかかる資金や資金がない場合の対策についてお伝えをします。
アパレルブランド立ち上げに必要な費用とは?
ブランドを立ち上げるのにどれくらいの費用が必要か?について
わからない
とお伝えをしたのですが、なぜわからないのでしょうか。
まず、洋服を作るコストには様々なことが影響するからです。
では、具体的にどのような要因がコストに影響を与えるのでしょうか?
<主に影響を与える要因>
・素材や付属
・デザインやサイズ
・枚数
・工場
・生産地
・プリントや刺繍の有無
では、これらを詳しく解説していきます。
①素材や付属
使用する素材によってコストが変わります。
生地や付属にもそれぞれ値段があります。どの素材、どの付属を選ぶのかによっても価格は異なりますし、当然高い生地や付属を選ぶとその分コストに跳ね返ります。
例えば、生地や付属でも
・日本
・韓国
・中国
で値段は異なりますし、中国や韓国には生地市場というのが存在するため、そのような
・生地市場の生地
・生地屋さんの生地
・工場で作成した生地
によってもコストは変わります。
値段としては素材や付属にもよりますが、
・中国 < 韓国 < 日本
・工場で作成・ストックの生地 < 生地屋さんの生地 < 生地市場の生地
の順である場合が多いです。
また、中国の工場で作成またはストックしている生地が一番コストとして安いですが、ロットが必要になるため、小ロットでは使用できないことが殆どです。
同様に中国や韓国の生地屋さんの生地もロットが必要なためほとんど使用できません。
そのため、小ロットでは
・中国の生地市場の生地
・韓国の生地市場の生地
・日本の生地屋さんの生地
を使用して作成します。
生地の価格は直接生地屋さんに都度確認する必要がありますが、生産する枚数が多ければ多少の交渉が可能な場合もあります。
②デザインやサイズ
デザインの複雑さやサイズによって費用が変動します。
・どんなデザインか?
・どんなディテールか?
・付属は使用しているか?
によっても価格が変わります。
複雑で難しい仕様やディテールが多くなればなるほど縫製に手間がかかるのと、特別なテクニックが必要なものはそのテクニックができる工場へ依頼しなければならないため、その分コストが高くなります。
また、付属がつく場合はその分コストがかかります。特にファスナーは高くつくので、ファスナーが必須ではないデザインの場合はファスナーがつかなくても良い仕様にする場合が多いです。
サイズに関しても影響があります。
単純に考えて、生地の用尺がかかればその分生地値が高くつくのでコストが高くなります。
しかし、用尺が少なければ良いかというとそういう問題でもありません。
これは大量生産の例になりますが、生地にもロットが必要なため、そのロットをクリアできる枚数や用尺をクリアできるデザインでないとその分がコストに影響します。
例えば、子供服の場合は大人に対して用尺が少ないため同じ生地ロットを潰すには大人よりも多くのオーダーが必要になります。
③枚数
作成する数量によって費用が変わります。
枚数が多くなればなるほど1枚あたりのコストが低くなります。
これについては、1型を作成する工場の手間が少なくなるためです。
例えば、同じ10,000枚を作成するにも
a)100枚/型 × 100型
b)10,000枚 ×1型
だとしたら、bの方が安くなります。
想像してみていただきたいのですが、aに対してbは1つの商品を作るのに
・素材の決定や生産
・指示書の作成やパターン作成
・縫製する際の工程
など手間がかかりません。
同じ枚数でも違う形を複数作るのには、手間と時間がかかります。
ユニクロが高品質であの価格で提供をしているのにはこのような理由があります。
とはいえ、ユニクロの品質であの価格を個人で狙うのは無理ですが、多くオーダーをした方が安くなるということはおわかりいただけたかと思います。
④工場
生産を依頼する工場の選択によって費用が異なります。
「工場」と言っても、どの工場にお願いしても同じ価格かというとそうではありません。
工場には
・素材(布帛・カット・ニット・デニムなど)
・価格帯(低価格帯の量産・高価格帯の小ロットなど)
・得意分野(下着、スポーツ、アウターなど)
などによって特性があるため、どの工場に依頼をするかによって価格は異なります。
⑤生産地
生産地によってもコストが異なります。
工場によってコストの変動があるとと伝えましたが、生産する工場がある場所・地域によっても価格は変わります。
最近、大量生産では中国生産が主流ですが、大手の超大量生産をするブランドでは
・東南アジア(インドネシア、カンボジア、ベトナムなど)
・アフリカ
などの地域
まで生産地が拡大しています。
ただ、これらはかなりのロットが必要なため、小ロットで使用するのは難しいです。
小ロットで使用する工場としては、
・中国の小ロット対応可能な工場
・韓国の小ロット対応可能な工場
・日本の工場
で価格としては
中国の小ロット対応可能な工場 < 韓国の小ロット対応可能な工場 < 日本の工場
になります。
⑥プリントや刺繍の有無
製品にプリントや刺繍が入るのかどうなのかもコストに左右します。
プリントや刺繍を入れるのには
・単純に手間がかかる
・プリントや刺繍を入れるのには「版」が必要
になります。
また、このプリントや刺繍も
・大きさ(大きい方が高い)
・色数(多い方が高い)
・入れる数(多い方が高い)
も左右するのでこれらを考慮する必要があります。
以上の項目全てを総合してコストが決まるため、単純にそれくらいの資金があればできるというのは一概にお答えができません。
逆にいうと、これらの情報が揃えば大体どれくらいのコストで服が作れるのか概算で出すことが可能になります。
また、小ロットはどうしてもコストが高くなってしまうため、販売価格が高くなります。
そのため、オリジナルブランドを作成する場合は低価格帯を狙うのではなく、少し高めの値段設定でのものづくりを考えると良いでしょう。
資金はどれくらい用意したらいいか?
とはいえ、アパレルブランドを立ち上げて洋服を作り販売するのにどれくらいかかるか気になりますよね!
一体、どれくらいかかると思いますか!?
ここでは、概算になりますがどれくらいの資金を用意すれば良いのかをお伝えします。
例えば、比較的シンプルなTシャツを100枚作ると仮定しましょう。
先に伝えた通り、コストは様々な要素が掛け合わされて決まります。
・素材:どんな素材を選ぶかで変わる
・用尺:約1m(Tシャツを作るのに必要な平均的な用尺)
・生地値:300円〜2,000円(どこで調達するか、どんな素材なのかで変わる)
・プリント版代:2000〜10,000円
・プリント代:(フロントに1色のものを1つ)
・工賃:工場や生産地によって変わる
これらを総合して考えると
@2,000〜10,000円/型
くらいになります。(こだわればもっと高くなります。)
多くの場合、コストの違いは
・生地値(用尺にも響く)
・生産地と工場背景
が大きく響くことが多いです。
また、これをそれぞれで見ると
<最低の場合>
@2,000×100枚=200,000円
<最高の場合>
@10,000×100枚=1,000,000円
となります。
コストが@10,000円になる場合は生地値が非常に高い可能性が高いため、
平均的に現実的なところで考えると、
300,000〜800,000円位
で考えると良いかと思います。
また、これらに追加して
・ブランドネーム
・下げ札
・送料
・販売用のネットショップの開設料や月額の料金
などのコストが入ります。
ネットショップは無料から始められるものもあるのと、下げ札やブランドネームもデータ作成から依頼をするとさらにコストがかかるので、まずは自分で作ってみることを想定します。
・ブランドネーム 5,000〜10,000円
・下げ札 5,000〜10,000円
・送料 @370×100=37,000円 (レターパック使用の場合)
多く見積もって約60,000円になります。
*送料は別でいただくのもありです。
ということで、比較的シンプルなTシャツを100枚作る場合は
50万円以上は資金がある状態で臨んだ方が安心と言えます。
資金が足りない場合の解決法
資金が全く無かったらできないの!?
と落ち込んでる方もいらっしゃるかと思いますが、資金が無かったらできないのでしょうか?
資金が足りない場合の解決策についてお伝えします!
<主な解決法>
・クラウドファンディング
・仕入れからスタートする
・SNS集客
これを順に解説します。
①クラウドファンディング
クラウドファンディングを活用して資金を調達する方法があります。
事前にブランド立ち上げ前にクラウドファンディングを活用して集めた資金を活用することで低リスクでブランド立ち上げを始めることが可能です。
しかし、クラウドファンディングで資金を集めるにはある程度の影響力や出資してくださる方を集めることも必要になるため、一般人の方にはハードルが高くあまりおすすめをしません。
まずは自分に影響力や集客力をつけた状態で始めると良いでしょう。
②仕入れからスタートする
最初はオリジナルで生産するのではなく、既にできている商品を仕入れからスタートする方法もあります。
これのパターンは既にできている商品を必要な枚数から仕入れして販売ができるので、一から作成するのに対してリスクは低くできます。
自分のセレクトショップを作るようなイメージです。
仕入れ商品でもブランディングやコンセプト設計、ターゲット設計が必要なのと販売スキルの向上もできるため、オリジナル商品づくりの前にまずはこちらで商品を販売する練習をしてみるのも良いでしょう。
また、これで少しづつ資金を増やしていただいてオリジナル服を作成する資金にしていただくのも一つの手段です。
ただ、この場合も単純にお店を開いたら売れるわけではないので、集客力をつけることは重要となります。
③補助金
補助金申請を行う方法もあります。
最近は様々な補助金の申請ができるため、そちらを活用してみるのもオススメです。
ただ、この場合は
・個人で活用できるものとできないもの
・申請をしたからといって降りるとは限らない
というのが現状です。
④SNS集客
SNSを活用して、事前に自分やブランドにファンをつけた状態で販売する方法もあります。
事前にファンを作った状態で販売をすることができるので、もっとも低リスクで再現性のある方法です。
ブランド作りもフォロワーさんを巻き込みながらできるので、フォロワーさんもブランド作りに参加できるのもメリットです。
いずれにしても、ブランド立ち上げ後やクラファン、仕入れのセレクトショップをするにも必須なので、SNS集客は早い段階で取り組むのがポイントです。
これらの方法を組み合わせて、必要な資金を確保することができます。
まとめ
いかがでしたか!?
今回はブランド立ち上げにかかる資金に関してお伝えをしました。
アパレルブランドを設立するためには、資金の額は条件によって異なりますが、一定の資金が必要です。
資金が足りない場合は、まずは仕入れ販売からのスタートやSNS集客などの方法を活用ましょう。
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