アパレルブランドを立ち上げるにあたり
なんて適当に発売日を考えていませんか?
7月は実際の季節は夏ですが、店頭で売っている商品というともう秋物です。
夏物を販売する場合はもっと早い時期に販売をしなければならず、商品販売をするためにはこのアパレルの基本のMDを知り、展開シーズンを知っておくべき必要があります。
今日は、アパレル小売のシーズンMDとは?年間の展開アイテムの流れを紹介!についてお伝えします!
シーズンMDとは?
シーズンMDは、アパレルブランドが季節ごとに商品ラインナップやマーケティング戦略を調整するための計画です。
シーズンカレンダーを元にMDが枠組みを決めて商品企画をします。
適切なシーズンMDを行うことで、消費者のニーズに応じた商品提供が可能となり、ブランドの売上と認知度の向上につながります。
では、シーズンMDを組むべき理由は何でしょうか?
シーズンMDを組むべき理由
1. 消費者ニーズの変化に対応するため
- 季節ごとのニーズ
季節によって消費者のニーズは大きく変わります。
夏は軽やかで涼しい服が求められる一方、冬は暖かくて防寒性のある服が必要です。
シーズンMDを組むことで、これらの季節ごとのニーズに迅速に対応できます。 - トレンドの変化
ファッション業界ではトレンドが季節ごとに変わります。
シーズンMDを適用することで、最新のトレンドを取り入れた商品をタイムリーに提供することができます。
2. 効率的な在庫管理
- 在庫の最適化
シーズンMDに基づいた計画を立てることで、過剰在庫や欠品を防ぐことができ、在庫コストの削減と販売機会の最大化が可能になります。 - クリアランスセールのタイミング
シーズン終了後にクリアランスセールを計画的に実施することで、在庫を効果的に処分し、次のシーズンの商品展開をスムーズに行えます。
3. ブランドイメージの強化
- 一貫性のあるブランドメッセージ
シーズンごとに統一されたテーマやスタイルを打ち出すことで、ブランドのイメージを強化できます。これにより、顧客の記憶に残りやすくなります。 - プロモーションの効果向上
季節に合わせたプロモーションを展開することで、消費者の購買意欲を引き出しやすくなります。例えば、春夏シーズンにはフェスティバルやビーチをテーマにしたプロモーションが効果的です。
4. 売上の最大化
- タイムリーな商品投入
シーズンごとに新商品をタイムリーに投入することで、顧客の関心を引き続け、売上を最大化できます。シーズンの始まりに新商品を投入することで、消費者の購買意欲を刺激します。 - マーケティングキャンペーンの最適化
シーズンMDを活用して、マーケティングキャンペーンを最適化することで、プロモーションの効果を最大限に引き出すことができます。
5. 競争力の維持
- 市場の変動に迅速に対応
シーズンMDを組むことで、市場の変動に迅速に対応し、競争力を維持することができます。特に、ファッション業界では競争が激しく、迅速な対応が求められます。 - 顧客ロイヤルティの向上
シーズンごとに魅力的な商品を提供することで、顧客のロイヤルティを向上させることができます。リピート顧客の獲得は、ブランドの持続的な成長に寄与します。
6. データに基づく意思決定
- 販売データの活用
過去の販売データを基に、シーズンごとの売上予測を立てることで、データに基づいた意思決定が可能になります。これにより、販売計画の精度が向上します。 - 顧客フィードバックの反映
顧客からのフィードバックをシーズンMDに反映することで、より顧客のニーズに合った商品展開が可能になります。
シーズンカレンダーの基本的な構成
では、実際にシーズンカレンダーはどのように分けられるのでしょうか?
ここでは、シーズンカレンダーの基本的な構成についてお伝えをします。
年間シーズンカレンダーの全体像
まずは、1年のMDの全体像を知りましょう。
MDは年間のイベントや行事、季節を考慮して消費者のニーズに合わせた商品展開をします。
商品は需要に合わせて、消費者が必要な時に必要な物を準備、購買できるようにスケジュールは前倒しで設定されて展開されます。
年間シーズンカレンダーの注意点
- ショップやブランド、テイストによって主力アイテムが異なるため、各ショップやブランドごとにアイテム内容や展開内容は少しずつ異なります。
- 最近では、猛暑や極冬など前年踏襲ができない天候の事情やコロナなどに左右されてスケジュール通りの展開をしてもなかなか売れないこともあり、スケジュールの在り方も変化してきている。
- 年間では様々なイベントがありますが、中でもプロパー(セールではない状態)と言って各ブランドでもボリュームを持って展開する時期がある。(GWやシルバーウィークなど)
小売の時期は大きく分けて4シーズンに分かれ、その中で更に3つに分かれます。
- Sping Season
・春1 –> 2月
・春2 –> 3月
・初夏 –> 4月 - Summer Season
・夏1 –> 5月
・夏2 –> 6月
・晩夏 –> 7月 - Autumn Season
・初秋 –> 8月
・秋1 –> 9月
・秋2 –> 10月 - Winter Season
・冬1 –> 11月
・冬2 –> 12月
・梅春 –> 1月
シーズンMDの具体的な計画と戦略について
商品企画から販売までの流れを詳細に解説します。トレンドリサーチ、デザイン、生産、在庫管理、販売チャネルの選定など、シーズンMDの各プロセスを具体的に説明します。
春 Spring Season の商品展開
まず、Spring Seasonについてです。
春は、
- 2月 → 「春1」
- 3月 → 「春2」
- 4月 → 「初夏」
の3つに分かれます。
2月「春1」について
2月は1月のSALEが終わって春物が完全に立ち上がる時期です。
- キーアイテム
<TOPS>長袖のニット、長袖ブラウス、裏毛のプルオーバーやパーカー
<ボトム>綿や合繊のロング丈のパンツ、スカート
<アウター>トレンチコートやブルゾン、Gジャンなどの軽アウター - キーファブリック、柄
小花柄、レース、デニム、ギンガムチェック - イベント
卒業式に向けたオケージョン物の展開やバレンタイン
3月「春2」について
3月は春物の実売期になります。
- キーアイテム
<TOPS>長袖のニット、長袖・7分丈ブラウス、裏毛のプルオーバーやパーカー、一部半袖の展開<ボトム>綿や合繊のロング丈のパンツ、スカート、ショート丈ボトム
<アウター>トレンチコートやブルゾン、Gジャンなどの軽アウター *2月に引き続き - キーファブリック、柄
小花柄、レース、デニム、ギンガムチェック - イベント
結婚式などのオケージョン
4月「初夏」について
3月からの春物に加えて月末のGWに向けて夏を意識した商品展開がされます。
この時期はGWは、年間を通して服が売れる1、2の時期となります。
- キーアイテム
<TOPS>長袖のニット(カーディガン)、7分丈・半袖ブラウス、Tシャツなどの半袖カットソー<ボトム>軽めの綿や合繊のロング丈のパンツ、スカート、ショート丈ボトム
- キーファブリック、柄
小花柄、中花柄、レース、ギンガムチェック、ストライプ、ギンガムチェッ、ジョーゼットやボイルなどの薄手の素材
- イベント
GWに向けたレジャー展開、春休み需要に向けた展開結婚式などのオケージョン
夏 Summer Season の商品展開
Summer Seasonについては、
- 5月 → 「盛夏1」
- 6月 → 「盛夏2」
- 7月 → 「晩夏」
の3つに分かれます。
5月「盛夏1」について
5月はGWがあるのと、消費者の購買意欲が高くなるため、1年を通して最も服が売れ、新商品の商品展開も多くなる季節になります。
- キーアイテム
<TOPS>半袖シャツ・ブラウス、Tシャツなどの半袖カットソー<ボトム>軽めの綿や合繊のロング丈のパンツ、スカート、ショート丈ボトム
- キーファブリック、柄
花柄、ストライプ、ボイル、ローン、シフォン、レース使い - イベント
GW
6月「盛夏2」について
5月の爽やかな気候から梅雨でまた少し肌寒くなります。
6月の後半になると、最近では早いところでSALEが始まるところもあります。
- キーアイテム
<TOPS>半袖シャツ・ブラウス、Tシャツなどの半袖カットソー、長袖カーディガン、刺繍ブラウス<ボトム>軽めの綿や合繊のロング丈のパンツ、スカート、ショート丈ボトム
- キーファブリック、柄
小花柄、ストライプ、幾何学柄、ローン、シフォン - イベント
梅雨、結婚式などのオケージョン
7月「晩夏」について
7月は月の初めから夏のSALEが開始します。
同時に晩夏アイテム(「今すぐ着れる」夏アイテムの秋色)の展開がされます。
- キーアイテム
<TOPS>半袖ブラウス・シャツ、Tシャツなどの半袖カットソー、刺繍などのリゾート要素のあるブラウス<ボトム>軽めの綿や合繊のロング丈のパンツ、スカート、ショート丈ボトム、ミニスカート
- キーファブリック、柄
マドラスなどのチェック柄、幾何学柄、ジョーゼットやボイルなどの薄手の素材 - イベント
夏のバーゲン、夏休みに向けたレジャー需要への展開
秋 Autumn Season の商品展開
Autumn Seasonについては、
- 8月 → 「初秋」
- 9月 → 「秋1」
- 10月 → 「秋2」
の3シーズンに分かれます。
8月「初秋」について
SALEも終わり、秋の商品が立ち上がり始めます。
ショップによっては早くもダウンジャケットの展開も始まります。
- キーアイテム
<TOPS>半袖シャツ・ブラウス、Tシャツなどの半袖カットソー、長袖カーディガン、リゾートアイテム<ボトム>軽めの綿や合繊のロング丈のパンツ、スカート
<アウター>軽アウター、ダウン・中綿ベスト - キーファブリック、柄
チェック、幾何学柄、小花柄、ボイル、ローン、シフォン、レース使い - イベント
お盆、夏休み
9月「秋1」について
9月に入ると完全に秋に変わります。
夏から秋への季節の変わり目で、連休も多く気候も良いので購買意欲が高くなる時期です。
- キーアイテム
<TOPS>半7分・長袖のシャツ・ブラウス、裏毛トップス、長袖ニット<ボトム>軽めの綿や合繊のロング丈のパンツ、スカート
<アウター>軽アウター、ダウン・中綿ベスト - キーファブリック、柄
チェック、小花柄、シフォン、ボイル、ハイゲージニット
- イベント
シルバーウィーク、結婚式などのオケージョン対応
10月「秋2」について
10月になるとニットの展開が多くなり、アウターも本格的に展開されます。
- キーアイテム
<TOPS>ミドルゲージニットトップス・カーディガン、長袖のシャツ・ブラウス、裏毛トップス<ボトム>軽めの綿や合繊のロング丈のパンツ、スカート
<アウター>軽アウター、ダウン・中綿ジャケット、ウールコート - キーファブリック、柄
ミドルゲージニット、アニマル柄、花柄、起毛素材
- イベント
秋の行楽シーズン 、結婚式などのオケージョン対応
冬 WINTER Season の商品展開
Winter Seasonについては、
- 8月 → 「初秋」
- 9月 → 「秋1」
- 10月 → 「秋2」
の3シーズンに分かれます。
11月「冬1」について
11月は冬に向けてアウターとニットの展開が加速します。
クリスマスに向けたパーティー需要の展開も始まります。
- キーアイテム
<TOPS>ミドルゲージニット、裏毛のプルオーバーやパーカー、起毛素材ビジュー付きなどのパーティー要素アイテム<ボトム>合繊、ウール混のロング丈のパンツ、スカート
<アウター>軽アウター、中綿・ダウンコート、ウールコート - キーファブリック、柄
チェック、コーデュロイ、起毛素材
- イベント
勤労感謝や文化の日などの連休、秋の行楽、クリスマスに向けたパーティー需要の展開、結婚式などのオケージョン需要の展開
12月「冬2」について
12月はクリスマスのパーティー、ホリデー需要の展開時期です。
クリスマス頃から冬のSALEが始まるところもあります。
- キーアイテム
<TOPS>ミドルゲージニット、裏毛のプルオーバー、起毛素材アイテム<ボトム>合繊、ウール混のロング丈のパンツ、スカート
<アウター>軽アウター、中綿・ダウンコート、ウールコート - キーファブリック、柄
チェック、アニマル柄、ミドルゲージニット、起毛素材、ビジュー使い
- イベント
クリスマス、ホリデーに向けたパーティー需要
1月「梅春」について
1月は年始から冬のバーゲンセールが開始です。
同時に、梅春商品(プロパー商品で素材は冬だけど色や柄が春)の展開がされます。
- キーアイテム
<TOPS>長袖のニット(カーディガン)、長袖ブラウス<ボトム>軽めの綿や合繊のロング丈のパンツ、スカート、ショート丈ボトム
<アウター>トレンチコートやブルゾンの軽アウター、春カラーの重アウター - キーファブリック、柄
花柄、レース、ハイゲージニット
- イベント
お正月、冬のSALE
まとめ
いかがでしたか?
今回は、アパレルブランド運営をするなら押さえておくべき年間のMDについてお伝えをしました。
これを軸として、ブランドの商品構成を組んでいきましょう。
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