アパレルブランドを立ち上げようとアパレルの勉強を始めたけど、
というご相談をよくいただきます。
アパレル業界には多くの専門用語があるので、初めて聞く言葉も多く何のことを言っているのか理解ができないことも多いでしょう。
しかし、何となくで過ごしていると、後から取り返しのつかないことも出てきてしまうのがアパレル業界の怖いところです。
そんなあなたのために、今日は、今更聞けない!アパレルデザイン企画に必須の知っておくべき業界用語をまとめましたのでお伝えします!
アパレル業界用語にはどんなものもがある?
まず、アパレルの業界用語というとどんな特性があるのでしょうか?
その特性について7つ紹介します。
- 専門性
多くの用語は、アパレルデザインや生産の特定のプロセスや技術に関連している専門的な用語です。 - 多言語由来
多くのアパレル用語は、フランス語やイタリア語、英語など、複数の言語に由来しています。例)「トワル(Toile)」や「ドレーピング(Draping)」などのように、フランス語から派生した用語が多くあります。 - 略語や専門用語の多用
アパレル業界では、業務の効率化やコミュニケーションの円滑化のために、略語や専門用語が頻繁に使用されます。例)「スペック(Spec)」や「サンプル(Sample)」などです。 - 技術的詳細
多くの用語は、具体的で技術的な詳細を含んでいます。例)「グレーディング(Grading)」は、特定のサイズ間での寸法の変更方法を指します。 - ビジュアルと触覚に関連
アパレル業界の用語は、しばしばビジュアルや触覚に関連する要素を強調します。例)「シルエット(Silhouette)」や「テクスチャー(Texture)」などのように、視覚的および触覚的な特性に焦点を当てています。 - 実用性
これらの用語は、実際のデザインや生産プロセスに直接関連しており、日常的な業務で実用的に使用されます。例)「カッティング(Cutting)」や「ファスニング(Fastening)」などです。 - 進化と適応
ファッション業界は常に変化しており、新しい技術やトレンドが登場するたびに、新しい用語や概念が生まれています。例)近年では「サスティナブルファッション(Sustainable Fashion)」のような用語が普及しています。
これを知っていただいた上で、業界用語を知るとイメージがつきやすく、定着力もアップしやすくなります。
よく使う知っておきたいアパレル業界用語
では、ここからはアパレルの業界用語を
- 商品企画
- 仕様
- ファッションビジネス
- 品質管理
の項目に分けてお伝えします。
商品企画編
SS・AW
これはSS(えすえす)とAW(えーだぶ)と呼び、
- SPRING&SUMMER(春と夏)
- AUTUMN&WINTER(秋と冬)
のシーズンのことを指します。
アパレル業界では大きく分けて2つの期間に分けて商品を発表し、制作するのが通例となっています。
QR
QRとは、 「Quick Response (クイック・レスポンス)」の略で、迅速に対応するという意味の言葉です。
できるだけ生産開始の時期を近づけて新商品の生産や売れる商品は追加生産を行うことです。
これを行うことで、在庫リスクを抑えながら、顧客ニーズにも応えやすくなり売上げUPも見込めます。
期中
期中というのはシーズン期間中に自社や他社の売れ筋などの情報を収集して、商品企画をすることです。
他社の売れ筋を見ながら商品企画するので、トレンドにフィットし顧客ニーズに応えられる企画を行うことが可能なので、売上アップの可能性を見込めます。
布帛(ふはく)
縦糸と横糸を交互に織り込んだ生地を布帛(ふはく)と呼びます。
ブラウスやワイシャツは布帛で作られた服というとイメージしやすいでしょうか。
織り方も様々で
- 平織り(ひらおり)
- 綾織り(あやおり)
- 朱子織(しゅすおり)
など
が存在し織り方によって表情は様々です。
織物は丈夫な反面、通気性が低くシワになりやすいのが特徴ですが、伸縮性はないか他のカットソーやニットに対して少ないです。
ニット
1本の糸をループ状に編んだ生地をニットと言い、横編みとも呼ばれます。
セーターはニットに該当しますが、ニット生地で作られた服を総称してニットと呼びます。
カットソー
カットソー(cut and sewn)という言葉は和製英語で、ニットの生地を切って(カット)縫い合わせて(ソーイング)作られた服の総称になります。
イメージでいうと、Tシャツやポロシャツ、スウェットはカットソーになります。
カットソーとニットの違いですが、
- ミシンで縫われていたら
→カットソー - リンキング(本体と付属編みパーツとをチェーンステッチでつなぎ合わせる)されているいる
→ニット
と判断すると分かりやすいです。
キャリー品
シーズンや販売期間を過ぎても、次のシーズンで引き続き販売される商品のことで、定番の商品や人気の商品であまりシーズンやトレンド関係なく売られる商品に当てはまります。「シーズン持ち越し品」と呼ばれることもあります。
売れ筋商品/死に筋商品
商品の中でも
- 良く売れる商品 ーーー> 売れ筋商品
- 売れ行きが悪い商品 ーーー> 死に筋商品
と呼ばれます。
売れ筋商品は店舗の売上に大きな影響を与えるため、一番目立つ位置に陳列したり、お客様に積極的に提案します。
死に筋商品も悪いわけではありません。
ブランドとしても売れ行きが悪くなることをある程度予想した上でチャレンジをするために作る商品もあります。
もし、死に筋になってしまってもその理由を分析し次回の企画に繋げる必要があります。
ビーカー
ビーカーとは、量産時に生地生産をする際に生地染めの色の指標となる色見本のことです。
ビーカーは、本番と同じ素材で色見本を作成し、量産ではそのビーカーの色を目標にして生地の色を染めます。
トワル
トワル(フランス語:Toile)とは仮縫いのサンプルを作る為に使用する綿の平織物を指します。
「トワルで確認する」とは、デザインをパターンに起こしたものを、トワルという無地の綿生地でサンプルを作り、確認をする。 という意味です。
グレーディング(Grading)
一つのデザインを異なるサイズに拡大・縮小する作業のことで、サイズ展開には必須の作業です。
多くのアパレルは
- レディース →Mサイズ
- メンズ →Lサイズ
でサンプル作成を行い、それを基準として量産に向けて他のサイズ展開を行います。
スペック(Spec)
製品デザインに対する詳細な仕様や寸法を記載した文書のこと。製品指示書、仕様書とも言います。
SKU
SKUとは、「Stock Keeping Unit(ストック・キーピング・ユニット)」の略で、在庫を管理する時の最小単位のことを指します。
- アイテム品番
- 色
- サイズ
で細かくSKUが分かれています。
例)3色展開3サイズ展開の場合
- 色のバリエーション数:3色
- サイズのバリエーション数:3サイズ
SKUの総数 = 色のバリエーション数 × サイズのバリエーション数になるので
SKUの総数 = 3色 × 3サイズ = 9 SKU になります。
プロパー価格
プロパー(英:Proper)とは、「妥当な、正しい、固有の、本来の、適当な、相応な」などを意味する言葉で、アパレル業界では、値引きされる前の正規の価格で販売される商品を指します。
プロパーは「プロパー商品」とも言われることがあり、正規販売定価のことを「プロパー価格」と呼びます。新作商品や人気商品は、利益率が高いプロパー価格で販売されます。
ささげ
ささげとは、
- 撮影(さつえい)
- 採寸(さいすん)
- 原稿(げんこう)
の頭文字を並べた造語のことです。
主にアパレル業界で使われることが多い用語で、消費者がECサイトで商品を購入する際の必要な情報を提供するために、ECサイトに掲載する商品撮影やサイズの採寸、商品情報の文章作成を行う業務を指します。
FINAL
FINALとは量産進行前に、量産進行して欲しい情報を載せた最終の指示書のことです。
ここからは、量産に入るため修正はできないので、完成させた状態の指示書として工場に送るものです。
プレス
プレスとはアイロンのことです。
サンプルや商品アップの際に行う作業です。
また、アパレルではもう一つプレスの意味があり、PRの仕事のこともプレスと言いますが、全く違うシーンで使う用語になるのでわかるでしょう。
仕様編
きせ
ダーツ
タック
タック(tuck)は、「縫いひだ、つまみ、折り込まれたもの、挟む、差し込む」といった意味があり、服をつまんだり折り込んだりしてできるひだのことです。
タックの効果として
- 立体的なシルエットをつくる
- 布の装飾
- 着心地の向上
- スタイルアップ効果
- ボリューム感を出す
など
があります。
袋布
袋布とは、ポケットの内側の袋になっている部分の布のことです。
袋布でも
- 手前布 →自分の体に近い方
- 向こう布→自分の体から遠い方
があります。
ファッションビジネス編
D2C
D2Cとは、「Direct To Consumer」の略で、製品を小売店などの中間業者を挟まず、SNSや自社ECを通じて顧客に直接販売するビジネスモデルを指します。
特に、近年はSNSやECショップの進化や小ロット生産がしやすくなったのをきっかけにアパレルブランドへの参入がしやすくなり、数多くのブランドがD2Cの形態を採用しています。
サスティナブル
サスティナブル(Sustainable)とは、英語の「sustain(持続する)」と「able(できる)」を組み合わせた言葉で、「持続可能な」「ずっと続けていける」という意味です。
環境・社会・経済などの分野において、長期的に持続可能な社会を実現するための取り組みを指す言葉でもあり、近年ではアパレル業界でもサスティナブルな取り組みを意識した企業やブランドが増えており、欧米のブランドは必須の考えとなっています。
アップサイクル
アップサイクル(英:upcycle)とは、デザインの力などを借りることによって商品価値を付加したリサイクルのことで、使わなくなった製品に新たなデザイン性や機能性をプラスし、新たな価値の高い製品を生み出します。
例)
履かなくなったワンピースを使ってスカートやスカーフを作る
掛け率
上代(定価)に対する下代(仕入れ価格)のパーセンテージ(料率)のことで、メーカーや卸問屋などが小売に商品を卸す際にこの掛け率を設定します。
例)
定価10,000円の商品で掛け率が30%の場合 —–> 3,000円が仕入れ価格
となり、これが原価になりますが、小売にとっては原価率と同じ意味合いになります。
Air、Ship
これは貿易の用語になりますが
- Air —–>飛行輸送のこと
- Ship ——>船での輸送のこと
基本的にはShipの方がコストが安いのですが、物量やどこの国からの荷物かで輸送にかかる時間もかかるので、Airを納期の兼ね合いで使用することもあります。
川上・川中・川下
商品を製造してから消費者に供給するまでの流通過程を川の流れに例え、3段階で表現したものです。
- 川上
主に原資となる糸や繊維を製造したり、その糸や繊維を使って生地を製造・卸する分野を指します。 - 川中
その糸や繊維、生地を元に商品を製造する製造分野を指します。 - 川下
完成品を販売する小売分野を指します。
MD
MD(マーチャンダイザー)とはマーチャンダイジング(Mer-chandising)の頭文字をとったもので、ファッション商品の総合プロデューサーとしての役割を持った職業で、
- トレンドを分析するための市場調査
- 商品の企画や商品の仕入れ
- 商品構成組み
など
幅広い仕事を行います。
同時に価格設定や販売計画も実施し、売上分析も行うことから企業やブランドにとっては要となるポジションです。
OEM(オーイーエム)
委託側が商品企画をしてメーカーや商社に製造を依頼することをOEMと言います。
委託者側のOEMメリットとしては商品企画に専念できることはもちろん、製造に関する専門知識がそこまでなくても製品を作ることができることです。
自社でノウハウゼロの状態から作るとなると製造にまつわる専門知識や技術が必要なうえ、製造工場との関係性構築等ありとあらゆる部分に神経を注ぐことになります。
受託側のメリットとしては、自社で企画製造して販売をする場合、当然売れない商品もでてくるため、最終的には在庫を残すことになります。
つまりはOEMを受けることで在庫リスクなしに利益を上げることができるのが特徴です。
リードタイム
商品生産、商品供給までにかかる期間のことです。
アパレルの商品作りにはこれがとても重要で、これを無視して商品作りをしようとすると希望の納期に商品が上がらなくなるリスクがあります。
品質管理編
QC
QCとは、「Quality Control(クオリティコントロール=品質管理)」の略で、製品規格との整合確認作業を含み、製品企画から販売までの全部門で、品質向上や生産性の向上、コストダウンなどを目指す取り組みのことを指します。
B品
B品は(ビーひん)と呼び、不良品や、品質が良くない商品のことを意味します。
糸のほつれている商品や破れた箇所のある縫製不良の商品や、シミなどの汚れがある商品、移染などの生地自体の不良がある製品のことをB品と呼びます。
移染
移染とは、生地の色が別の生地に移ることです。
特に濃色や赤は特性上、移染の可能性があり、移染が起こるとお客様の別の商品を汚す懸念もあるため、製品を生産する前には必ず生地の検査をする必要があります。
パッカリング
パッカリングとは、縫い目の間にできるシワのことです。これがデザインの場合は良いのですが、そうでない場合はB品になる可能性があるので注意です。
まとめ
いかがでしたか!?
今回は、今更聞けないけど知っておきたいアパレル業界用語についてお伝えしました。
一度で全ての用語を覚えることは難しいと思うので、ぜひブックマークにして繰り返し見るようにしてください!
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