アパレルブランドを立ち上げたいという方たちからは、
というご質問をよくいただきます。
一般的な有名ブランドでも小規模のブランドでも基本的な洋服作りの流れは同じです。
一般的なブランドの洋服作りの流れを知ることでこれから立ち上げるブランドでの洋服作りのイメージがつくでしょう。
今日は洋服のサンプル作成から量産までの流れを一般的なアパレルブランドの例で紹介します!
アパレルブランドの商品作りの流れを知るべき理由とは?
これからアパレルブランドを立ち上げる人にとって、一般的なアパレルブランドで行われている商品作りの流れを知るべき理由は何でしょうか?
まずはその理由についてお伝えします!
1. プロセスの全体像を把握できる
洋服作りは、商品販売という最終納期に間に合わせるためにスケジュールを逆算して進行していく必要があります。
そのためには、商品作りの流れを理解し、アイディアから製品が完成するまでの全体像を把握することが重要で、各ステップの重要性と関連性を理解して計画を立てて進行がしやすくなります。
2. 時間とコストの管理が可能になる
各ステップの流れを知ることで、どのプロセスに
- どれだけの時間
- どれだけのコスト
がかかるかを把握し予測することができます。
全体でかかる時間やコストがイメージできると効率的なスケジュール管理とコスト管理が可能になり、予算のオーバーや納期遅延を防ぐことができます。
3. 品質のコントロールの強化が可能
商品作りの流れを理解することで、品質管理の重要性を認識できます。
スケジュールを把握しないで物作りをすると品質的にも良い上がりにならず不良品が多くできてしまう可能性があります。
各ステップでのチェックポイントを設定し、品質を維持するための具体的な対策をすることができます。
4. リスク管理と問題解決能力の向上
各プロセスで発生し得るリスクや問題点を事前に把握しておくことで、迅速かつ適切な対応パターンを知れるので事前の対応の準備ができますし、トラブルが起こってから調べたり対策を考える必要がないので即座に対応できます。
これによりトラブル発生時の対応能力が向上するため、ブランドの信頼性を高めることができます。
5. 効率的なコミュニケーションの促進
アパレルブランドを運営するためには
- デザイナー
- パターナー
- メーカー
- 工場
など
多くの関係者との円滑なコミュニケーションが重要になります。
流れを理解することで、専門用語やプロセスの共通理解が深まるので、効果的なコミュニケーションが可能になりますし、信頼関係を持って洋服作りが可能になります。
6. ブランドのコンセプトを正確に反映
商品作りの流れを知ることで、ブランドのコンセプトやビジョンを具体的なデザインや製品に反映しやすくなります。
これにより、一貫性のあるブランドイメージを構築し、顧客に対して強い印象を与えることができます。
7. 長期的なブランド戦略の構築
商品作りの流れを理解することで、短期的な利益だけでなく、長期的にブランド運営を考えた際のブランド戦略を考えるための基盤ができます。
アパレルブランドの商品は世の中のトレンドに柔軟に対応する必要があり、サンプル作成から生産をして商品納品までのリードタイムを知ることで、ブランドの成長を目指すための戦略を立てやすくなります。
8. 競争力の強化
業界標準のプロセスを知ることで、競合ブランドとの比較が可能になります。
一般的なアパレルブランドの流れを知ることで、
- 自社の強みや弱点を把握
- 競争力を高める
ための改善点を見つけ出すことができます。
これらの理由から、アパレルブランドを立ち上げる人は、一般的なブランドの商品作りの流れをしっかりと理解しておくことが重要です。
アパレルブランドの一般的なサンプル作成から生産の流れ
では、実際に一般的なアパレルブランドのサンプル作成から生産までの流れはどのように進むのでしょうか?
具体的には、アパレル企業やブランドによって違い、その企業やブランドの規模や戦略によっても異なりますが、一般的な流れを紹介します。
なお、この流れはブランドコンセプトやターゲット設定などは終わっており、既にブランド運営をしているブランドという前提でお話をします。
ステップ1: リサーチをしてイメージ収集をする
まずは、ブランドのシーズンディレクションに合わせてデザインソースとなるイメージをリサーチして収集します。
- 競合ブランドの店舗やネットのリサーチ
- SNSや雑誌からの情報をリサーチ
など
から最新のファッショントレンドをリサーチし、情報収集をしてインスプレーションを得ます。
また、他ブランドのネットの口コミの情報や自ブランドの商品売れ筋や口コミの情報からターゲット顧客のニーズを探りましょう。
ターゲット顧客のニーズに最新トレンドを合わせたデザインを考えます。
ステップ2: デザインを具体化する
リサーチの情報を元に具体的にデザインに落とし込みましょう。
サンプル作成するデザインを工場に指示できるように、ディテールまで詳細に表現したデザイン画を準備します。
このデザイン画はファッションイラストではなく、平絵と言われるものでそのまま工場が絵を見ただけでどんな仕様なのかイメージができるような絵を描く必要があります。
パターン依頼をする際にもこの絵型が大事になります。
出来たデザイン画には実際に展開する
- カラー展開
- 柄展開
を反映させたシュミレーションを作成しましょう。
ステップ3: 素材や付属の選定をする
出来たデザイン画を元に、素材や付属の当てこみをしましょう。
まず、生地スワッチや付属の見本を取り寄せます。
取り寄せるには、希望の生地や付属のイメージを工場や生地屋さんに依頼をして収集し、送ってもらいます。
依頼をする際には、どんなイメージの記事なのか
- 混率
- 素材感
- 厚み
- 機能
など
を具体的に伝えます。
言葉で伝えにくい場合は画像や参考の商品のサイトを送ったり、実際の生地や付属を送って似たようなものを送ってもらいましょう。
ステップ4: 仕様書作成とパターンメイキング
素材まで決まったら、サンプル依頼をするための仕様書の作成を行います。
そこまで
- 複雑な形でない
- 参考の商品がある
- ヤング向けのブランド
など
の場合はコストカットのために工場でパターン作成をしてもらうことが多いです。
ただ、比較的値の貼る商品の場合はパターン作成を日本のパタンナーさんに依頼をしてパターンを作成してもらいます。
パタンナーさんにパターン作成をお願いすることで、パターン作成のコストはかかりますが、その後の仕上がりが綺麗に上がるので修正が少なくて済むことがあります。
パタンナーさんには、
- 形のイメージ(画像でOK。変更する点があれば伝える。)
- 大体のサイズ感
- 素材感
の情報を伝えましょう。
ステップ5: サンプル製作
指示書やパターン作成までできたらサンプル作成の依頼しましょう。
- 指示書(パターンがあればパターンも)
- サンプル作成する素材の情報
をセットにして1ST(初回)のサンプル依頼を行います。
サンプルが上ったら、サンプルのチェックを行います。
サンプルのチェックポイント
- サイズが指示通り上がっているか?
- 仕様は合っているか?
- 素材が合っているか?
- 縫製はどうか?
- 着用したイメージはどうか?
をチェックしていきます。
修正点がある場合は2nd(2回目の)サンプルを依頼しましょう。
工場へ変更点や修正点を伝え修正のサンプルを作成してもらいます。
修正点や変更点は明確にわかりやすく伝えることがポイントです。
これを繰り返して完成品に近づけますが、大量生産を行なっているような一般的なアパレルブランドでは、標準的に多くても3rd(3回目の)サンプルまでを目処に量産に進行します。
サンプル作成をすればするほど
- 納期までに時間がなくなる
- コストがかかる
ため、できれば小ロットの場合は2ndサンプルまでを目処に進行しましょう。
ステップ6: コスト計算と価格設定
サンプル作成に合わせてコストを確認し、商品の価格を設定しましょう。
商品として売るためには、商品価格に対してどの程度のコストではめるかも大事なポイントです。
コストの算出方法としては
コストに含まれるもの
- 材料費(生地、付属など)
- 製造費(縫製、検品など)
- デザイン費
- 運送費
など
これらに利益を踏まえ、戦略的な価格設定を行います。
価格設定については、
- 市場価格との比較と適正な価格設定。
- ブランドイメージに合った価格戦略。
を元に決定します。
ステップ7: 量産前の最終確認
生産前の最終のサンプルとなるサンプルをチェックします。
- 全てのサイズのサイズチェック(S,M,Lの3サイズある場合は3つのサイズのチェック)
- 仕様の確認
- 品質のチェック
- 最終の修正点が直っているかの確認
を行います。
ステップ8: 量産進行の手配と管理を行う
量産の進行の手配をしましょう。
- 最終のサンプルに対するコメント
- 納品の形態(畳み方や下げ札・洗濯ネームの付け位置の指示)
を指示して量産の進行を指示します。
量産の進行時は
- 量産スケジュールの管理
- 進行状況の定期確認
- 品質管理の徹底と最終チェックの実施
を心がけます。
時にはトラブルが起こる場合もありますが、工場とのこまめな情報共有を行い、トラブルが起こった際は迅速に対応しましょう。
ステップ9: 納品と商品販売準備をする
量産がスタートしたら、先出しで
- 各色
- 各サイズ
を送ってもらい(納前サンプルや先上げサンプルという)、量産の商品に問題がないかサンプルの検品を行います。
生産の目処ができたら、
- 商品販売の準備
- 販売戦略の施策
を行いましょう。
まとめ
いかがでしたか!?
今回は一般のアパレル企業向けの商品のサンプル作成から量産、納品までの流れをお伝えしました。
規模が違うとしても基本的にはやることは同じです。このような流れになることを事前に知って、ブランド立ち上げて販売をするまでのイメージをつけましょう。
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