ポジショニングって何?
ポジショニングとは、ブランドが市場の中でどのような位置を占めるか、消費者がそのブランドをどのように認識するかを計画的に決定することです。
これにより、消費者に対してブランドの価値を明確にして競合と差別化することができて、市場で他と比較してどのように認識されることを目指すのか?を検討していくことが可能になります。
ポジショニングの重要性
ポジショニングを設定する重要性はどんな点にあるのでしょうか?
4つの重要性についてお伝えします。
ポジショニングの具体的な4つの重要性
- 差別化
競合他社との違いを明確にすることで、消費者が自社ブランドを選ぶ理由を示すことが可能です。 - 消費者への価値の提示
消費者にとっての価値を明確にし、その価値が他のブランドとどう違うかを示します。 - 一貫したメッセージを伝える
一貫したブランドメッセージを提供することがブランディングにつながり、消費者との信頼を築きます。 - ターゲット市場に効果的に伝える
ターゲット市場に対して適切なメッセージを伝えることで、ブランドの魅力を最大化することができます。
ポジショニングを用いることで、ニーズがありながら差別化できるポジションを探ることができます。
ポジショニングを用いたブランドコンセプトの作り方
では、実際にどのようにポジショニングを用いてブランドコンセプトを作ったら良いのでしょうか?
ここからはポジショニングを用いたブランドコンセプトの作り方をお伝えします。
ポジショニングを用いたブランドコンセプトの作成には、以下の3つの要素が含まれます。
ブランドコンセプトの作成に必要な3つの要素
- ターゲット市場の選定
- 競合分析
- ユニークな価値提案(USP)の確立
これについて具体的にお伝えします。
1.ターゲット市場の選定
アパレルブランドを始め、何かビジネスを行うには単純に差別化したら良いわけではありません。
ブランドの成功には、ターゲット市場の明確な選定が欠かせません。
- 市場のニーズ
- 嗜好
- 購買行動
を理解することが重要になります。
以下の2つのポイントで選定をしましょう。
1.市場のニーズと嗜好
差別化をしながらも、商品を購入してもらうためにはターゲットニーズがあるかどうかを見極める必要があります。
ターゲットのニーズをリサーチして、ターゲット顧客が何を求めているかを理解しましょう。
2.市場の規模と成長の可能性
市場が十分に大きく、今後の成長が見込めるかを確認しましょう。
市場の成長を見極めるためには、アパレルのトレンドは勿論のこと、アパレル以外のトレンド動向にも注目して情報をキャッチしましょう。
2.競合分析
ターゲットニーズだけでなく、競合の状況を知って戦略を練る必要があります。
競合他社がどれだけ存在し、どのような戦略を取っているかをリサーチして分析しましょう。
競合分析をするには直接の競合だけでなく、間接的な競合も含めて特定することが大事です。
まず、直接の競合と、間接的な競合の定義がわからない方もいらっしゃるかと思うので説明をします。
直接的競合 (Direct Competitors)
直接的競合とは、同じ製品やサービスを提供し、同じターゲット市場を狙っているブランドや企業を指します。
これらの競合は、消費者が特定のニーズを満たすために、選択肢として直接比較されることが多いです。
特徴
- 同じ製品カテゴリーに属する
- 同じ顧客層をターゲットにしている
- 顧客が製品を選ぶ際に直接比較される
例
- ファッション業界では、H&MとZaraは直接的競合です。
両ブランドともファストファッションを提供し、若年層やトレンドに敏感な消費者をターゲットにしています。 - スポーツウェア市場では、NikeとAdidasが直接的競合となります。
両社はスポーツシューズやアパレルを提供し、アスリートやフィットネス愛好者をターゲットにしたブランドです。
間接的競合 (Indirect Competitors)
間接的競合とは、異なる製品やサービスを提供しているが、同じニーズや問題を解決するために消費者に選ばれる可能性のあるブランドや企業を指します。
これらの競合は、製品カテゴリーは異なるものの、消費者の関心や予算を奪う可能性があります。
特徴
- 異なる製品カテゴリーに属する
- 顧客の同じ基本的なニーズや欲求を満たす
- 製品が直接比較されることは少ないが、消費者の選択肢として競合する
例
- ファッション業界では、H&Mの間接的競合としてユニクロがあります。
ユニクロはベーシックで高品質なアパレルを提供し、トレンド重視のファストファッションとは異なるが、消費者の衣料品購入予算を奪う可能性があります。 - レストラン業界では、マクドナルドとファミリーレストランは間接的競合です。
ファミリーレストランはファストフードとは異なるダイニング体験を提供しますが、消費者の食事の選択肢として競合します。
これらの競合の強みと弱みを把握し、自社ブランドがどのように差別化できるかを見極めて、競合ブランドが市場でどのように位置づけられているかを分析しましょう。
3.ユニークな価値提案 (USP) の確立
USPは、Unique Selling Propositionの略でブランドが提供する独自の価値を明確にするもので、ここが差別化になる要素になります。
USPを確立することにより、ブランドが消費者にとって選ばれる理由を示して、ブランドの競争力を高めることができます。
USPの重要性とは?
- 差別化
市場での競合ブランドと明確に差別化され、消費者にとってのブランドの独自性を強調します。 - ブランド認知度の向上
消費者の記憶に残る特長を持つことで、ブランド認知度を向上させます。 - 顧客ロイヤルティの強化
独自の価値を提供することで、顧客の忠誠心を高め、長期的な関係を築きます。 - 価格競争からの脱却
価格以外の価値を提供することで、価格競争から脱却し、高付加価値を実現します。
USPの要素とは?
USPを効果的に確立するためには、以下の要ポイントを元に考えましょう。
1. 顧客にとってのベネフィット
顧客が自社ブランドを選ぶことで得られる具体的な利益や価値を明確に示します。
これは、単なるメリットではなく
- 製品やサービスが顧客の問題をどのように解決するか?
- 生活をどのように向上させるか?
ターゲットがその商品を購入した先に手に入る未来(ベネフィット)を提示することが重要です。
この未来がイメージすることで商品購入に繋がりやすくなります。
例
- 高品質な素材を使用しているため、長持ちする。
- 使いやすいデザインで、日常生活を快適にする。
2. 独自性
他のブランドにはない、独自の特長や利点を強調しましょう。
これは競合ブランドが
- 提供できないか
- 提供していない
価値です。
これを提示することができれば自然と差別化につながります。
例
- 特許取得済みの技術を使用している。
- 限定生産のため、希少価値が高い。
これらを元にUSPを設定しましょう。
3. 証拠
顧客に対して、ブランドの価値提案が信頼できるものであることを証明するデータや証拠を提供します。
これには、
- 顧客のレビュー
- モニタリングテストの結果
- 数値で表せる何かしらのエビデンス
など
が含まれます。
例
- 顧客満足度90%以上の実績。
- 有名な賞を受賞した製品。
- リサイクル素材を80%以上している。
ポジショニング設定のためのリサーチの具体的なステップ
では、具体的にポジショニング設定のためにどのようにリサーチをしてい気ば良いのでしょうか?
ポジショニング設定のステップをお伝えします。
1.ターゲットニーズの調査
市場調査では、以下の方法を用いてターゲット市場のニーズと嗜好を理解しましょう。
- アンケート
ターゲット顧客に対してアンケートを実施し、彼らのニーズや嗜好を把握します。
アンケートの方法はインスタのストーリーズや質問箱などを活用すると取りやすいです。 - ヒアリングを行う
アパレルブランドを作成するためには、より具体的なターゲットニーズを探る必要があります。アンケートを元に、詳細な情報を元に深掘りした情報を得るために、ターゲットの方にヒアリングを行います。生のターゲットの声を収集できると強いです。
複数のターゲットを集めてディスカッションを行い、意見を収集するのもオススメです。
2.競合分析
競合分析では、SWOT分析を用いた分析がおすすめです。
SWOT分析は、企業やプロジェクトの内外の環境の現状分析し、戦略を立てるためのフレームワークで,SWOTは以下の4つの要素から構成されます。
- Strengths(強み)
- Weaknesses(弱み)
- Opportunities(機会)
- Threats(脅威)
この分析を通じて、企業の内部環境と外部環境を評価し、戦略の立案に役立てます。
1. Strengths(強み)
企業やプロジェクトが持つ内部的な強みです。
他社と比較して優れている点や、競争優位性を持つ要素を特定します。
強みの例
- 高品質な製品やサービス
- 優れたブランド認知度
- 独自の技術やノウハウ
- 優れた顧客サービス
- 強力な販売ネットワーク
2. Weaknesses(弱み)
企業やプロジェクトが抱える内部的な弱みです。
競争力を削ぐ要因や、改善が必要な点を特定します。
弱みの例
- 製品の高コスト構造
- 弱いブランド認知度
- 限られた市場シェア
- 技術革新の遅れ
- 効率の悪い運営プロセス
3. Opportunities(機会)
外部環境に存在するポジティブな要素で、企業が活用できるチャンスや成長の可能性を示します。
機会の例
- 新しい市場への参入
- 技術革新による新製品開発
- 規制緩和や法改正
- 経済成長や市場の拡大
- パートナーシップやアライアンスの形成
4. Threats(脅威)
外部環境に存在するネガティブな要素で、企業が直面するリスクや挑戦を示します。
脅威の例
- 新規競争相手の参入
- 経済の不安定さ
- 消費者の嗜好の変化
- 政治的・法的規制の強化
- 環境問題や自然災害
アパレルブランドのSWOT分析の例
Strengths(強み)
- 高品質な素材を使用
- 知名度の高いデザイナーが所属
- オンライン販売の強力なプラットフォーム
Weaknesses(弱み)
- 生産コストが高い
- ブランド認知度が低い市場がある
- 限られた店舗展開
Opportunities(機会)
- 新興市場への進出
- サステナブルファッションのトレンド
- コラボレーションによるブランド強化
Threats(脅威)
- 激しい価格競争
- 経済不況による消費低迷
- 新規参入ブランドの増加
ポジショニングMAPの作成
ここまでリサーチを行ったら、実際にポジショニングに落とし込んでMAPの作成をしましょう。ポジショニングMAPは、競合と自身のブランドのポジションを視覚的に位置づけるためのツールです。
ここでは、ポジショニングMAPの作成のステップをお伝えします。
ポジショニングMAPの作成のステップ
ポジショニングは下記のステップで行っていきます。
1.評価軸を設定する
縦軸と横軸の十字線を書き、そのそれぞれの軸にブランドにとって重要な評価軸を設定しましょう。
縦軸と横軸のどのようなポジションをとっていくのかによって異なるので、どんな軸にするのかはその目的によって変わります。
軸の例
- 価格(低価格・高価格)
- 品質(サスティナブル・非サスティナブルなど)
- スタイル(モード・カジュアル、ベーシック・トレンドなど)
- 機能性(機能なし・高機能など)
など
ここでのポイントは各軸の項目がそれぞれ反対の言葉になるように設定することです。
2.ブランドの位置づけ
リサーチをした競合ブランドと自社ブランドをマップ上に配置します。
その上で、競合との相対的位置をもとに戦略を立てます。
まずは、MAP上に競合ブランドの配置をすることで、どこのポジションが狙い目か確認することができるのでMAP上で分析をし、自社の強みとターゲットニーズが叶うポジションなのかを探りましょう。
ポジショニングマップの例
では、どのようにポジショニングMAPを作成するのかその例を2つ紹介します。
例1:ファッション業界全体で見たポジショニング
ファッション界全体で見た際にはテイストと価格で軸を設定してみるとわかりやすいです。
例2:ファストファッションに絞ったポジショニング
ファストファッションはテイストと共に品質に特徴がある傾向があるので、テイストと品質で軸を設定しています。
他の軸だと価格なども考えられます。
まとめ
いかがでしたか!?
今回はアパレル製品の仕様書の作成方法をお伝えしました。
サンプルや商品作成に必須の書類となるので、書き方を覚えて工場に指示できるようになりましょう。
とはいえ、絵が方の描き方や仕様書の書き方がわからない…という方もいらっしゃるかと思います。
その方達には、絵型や仕様書の書き方のレクチャーも行っていますので、ぜひ私の公式LINEへご相談ください♪
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